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もしアナタがどんなに転職に焦っていても、絶対に「ブラック企業」に入社することだけは避けなければなりません。
世間的にはあまりに酷いブラック企業はSNSやニュースなどで叩かれる時代になりましたが、まだまだ隠れたブラック企業は山ほどあります。
一度ブラック企業に入ってしまうと、精神的にも時間的にも、そして金銭的にも追い込まれ再び転職するのが難しくなるのです。気がつくとブラック企業で長く働くことになり、働き盛りの大事な人生をムダにしてしまうことも。
ハジメ
朝6時から夜12時まで。週6日勤務。売上厳しい時は日曜日も出勤したことも。4ヶ月間休みが無かったこともありました。
もちろん残業代なんてありません。心身ともにボロボになってしまったのですが、そこで何も得るものはありませんでした。
絶対にブラック企業には入ってほしくない!
今回そんな思いで「ブラック企業の見抜き方」を今回ご紹介します。
ブラック企業の定義
そもそもブラック企業の定義とはなんでしょうか?
なんとなく「労働者のことを考えていない企業」というイメージはあるものの、はっきりと「ブラック企業はこんな企業!」という定義があるわけではありません。
しかし、ブラック企業の知識がないと気づかないうちに搾取されつづけしまいます。
リカさん
ハジメ
ここでは、まず日本という国がどのようにブラック企業を認識しているのかをご紹介します。どんな企業をブラック企業として実際に処罰しているのか、もご紹介していきます。
加えて、一般的に世間がどのような企業をブラック企業として捉えているのかも紹介します。日本政府が考えるブラック企業とみんなが考えるブラック企業のギャップにも注意しましょう。
厚生労働省も認めているブラック企業の存在
厚生労働省がHPで公表している、ブラック企業についての見解をご紹介します。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
このような企業に就職してしまった場合の対応としては、第一義的には会社に対して問題点の改善を求めていくことが考えられます。しかしながら、新入社員が単独で会社に問題点の改善を求めて交渉等をするのは現実的には非常に難しいと考えられます。したがって、問題点に応じて、外部の関係機関や労働組合に相談することも有効な手段と考えられます。
厚生労働省はブラック企業については存在することを認めながらも、明確な定義をしていないことがわかります。
しかし、以下の3つのポイントに触れています。
・労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
・賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
・このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
この3つについて、もう少し詳しく説明していきます。
ブラック企業の定義①:労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
まずは長時間労働について解説します。
労働基準法では
- 法定労働時間は週に40時間
- 残業は月45時間が上限
と定められています。
毎日、朝9時から夜20時まで仕事をした場合に到達する計算です。従業員にこれ以上働かせるのは完全に違法になります。
国はブラック企業を定義していないと言いながらも処罰できる対象をしっかり線引しています。
続けて、ノルマについてです。
まず、ノルマを課すこと自体は違法ではありません。ただし、ノルマを到達しなかったことによる減給は給料の最大10%まで、と労働基準法で決まっています。加えて、ノルマを理由に労働者を脅したり恫喝したりする行為も当然ながら違法となります。
ブラック企業の定義②:賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
賃金不払残業(俗に言うサービス残業)が労働基準法に違反することは、いまさら言うことありません。
加えてパワーハラスメントが企業全体で横行していたりする企業もブラック企業の特徴として上げています。実はパワーハラスメントは労働基準法には何も書いてありません。しかし、労働基準法で定められていないこともブラック企業として該当することがある、と厚生労働省は呼びかけています。
ブラック企業の定義③:このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
「社員を使い捨てにする」ということです。
労働者の心と体に過度な負荷をかけて、働けなくなったら退職させ、新しい人を採用。これを繰り返す企業をブラック企業の特徴として上げています。
労働者が退職したので新しい労働者を雇うこと自体は問題ありませんが、こういった意図で使い捨てのように入れ替えていくことは非常に問題があります。
厚生労働省はそういった行為を繰り返している企業も注意してください、と注意を促しています。
また、ひどいブラック企業に対して、日本政府はしっかりと処罰を行っています。実際にどんなブラック企業を処罰、公表しているのでしょうか?具体例を見てみましょう。
国が処罰、公表しているブラック企業の特徴
厚生労働省は毎年年度末に、とくに悪質な企業を公表しています。
処罰例
H30.2.22送検 | 労働者1名に対し、36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせた |
H30.11.20送検 | 労働者6名に、36協定を適法に締結・届出することなく、違法な時間外労働を行わせたもの |
H30.9.12送検 H30.10.5不起訴 |
労働者27名に,1か月分の定期賃金合計約510万円を支払わなかったもの |
H30.8.23送検 | 労働者1名に,2か月分の定期賃金合計約77万円を支払わなかったもの |
H30.1.16送検 | 足場における作業を開始する前に、点検を行わなかったもの |
(参考資料:厚生労働省「労働基準関係法令違反に関わる公表事案」PDF)
ブラック企業の定義をしないにしても、厚生労働省はブラック企業をしっかりと処分していることがわかります。上記は一例で、年間で数百件以上のブラック企業に対して処罰を行っています。特に悪質な企業はその後、起訴されて有罪になっているブラック企業もありました。
しかし、よくよく見てみると国が公表しているブラック企業は法律に違反しているレベルの企業のみです。法律に違反していなければブラック企業ではないのか、と言われるとそうではありません。
そこで、一般的に世間が考えるブラック企業についても知っておきましょう。
世間が考えるブラック企業
世間が考えるブラック企業は、国が考えるブラック企業とは基本的には変わりません。
プラスで「完全な法律違反ではないけど、労働者の権利を尊重していない」ことに対して、ブラック企業だと感じる部分が多いようです。
例えば
- 産休を認めてもらえない
- 新人なのに何も教えてもらえない
- セクハラ発言
などになります。
それを反映するかのようにブラック企業大賞なるものが毎年発表されています。
ブラック企業大賞にノミネートされた企業例
①都内の語学学校の例
都内で語学学校等を運営する企業である。同社で英語講師を務めていた正社員の女性は、2014年、育休明けに保育園が見つからず規定上の休職を申し出たが拒否された。社員は面談の中で上司から「俺は彼女が妊娠したら、俺の稼ぎだけで食わせるくらいのつもりで妊娠させている」と発言されるなどした。出産した女性社員を短期契約の契約社員などに転換させ、契約期限をもって雇止めにする新手の出産解雇は、ここ数年目立っている。
リカさん
ハジメ
②自動販売機オペレーション会社の例
違法な長時間残業があったとして是正勧告を受けた。この労働者の残業時間は月100 時間を超えていた。しかし、同社はこの制度を違法適用したことで、1日10 時間を超える自動販売機の補充などの労働に対して、7時間45 分の給与しか支払っていなかった。
また、ある支店の支店長がクイズを出し、正解者にのみ有給休暇の取得を認める「有給チャンス」とよばれるパワハラの存在も明らかとなり、メディを賑わせた。言うまでもないが、有給休暇の取得は労働者の権利であるので、「クイズに正解すること」をその取得条件とすることは法律違反である。
ハジメ
③日本を代表する電機メーカーの例
所長から「いらない」「着工まで不要」「めざわりだから帰れ」「仕事辞めてしまえ」などの暴言を受け続け、労働時間を勤怠記録に記入する際には「考えてからつけるように」と言われ、労働時間の過少申告に追い詰められた。さらには座っていた椅子を蹴られており、これらの長時間労働やパワハラによって精神疾患を発症した。
ハジメ
このように信じられないブラック企業が存在します。労働基準法に違反していなければ安全というわけでなく、なかなか法律で検知できないブラック企業もたくさんあります。
しかし、ブラック企業の見分け方にはコツがあります。
ブラック企業にはどんな特徴があるのか、見るべきポイントを抑えて徹底的にリサーチを行い、事前にブラック企業を見抜きましょう!
ブラック企業は事前の徹底リサーチで見抜く!
ブラック企業を見抜くポイントをいくつかご紹介いたします。
ブラック企業になりがちな業界は要注意!
業界の特性上、どうしてもブラック企業になりがちな業界があります。
たとえば「ブラック企業大賞」でもよく名を挙げられがちなのが飲食業界。1日の労働時間も長く、土日・深夜が忙しかったり、アルバイトが急に休むと正社員に幅寄せがきたりします。
離職率も高いので若いうちから「店長」「責任者」として激務を課される割には利益率が極めて低いので給料も安くなります。そして場合によっては「管理職だから」という理由で残業代がでない会社も存在します。
また介護業界も低賃金・激務で有名です。もともと主に国の介護保険料でまかなわれている業界のなのでがんばれば売上が上がっていく業界ではありません。そして介護業界はあらゆる業界の中でもっとも低賃金に位置しています。
広告制作やデザイン会社といった下請けに位置する可能性ある業界もブラック企業化しやすくなります。どの会社の人と仕事をしても「時間ギリギリまでアイデアを考えてよい広告を仕上げる」という精神が根付いていました。電通の新入社員過労死自殺事件の後でも、朝方まで平気で広告代理店とのやりとりが続く業界です。
このように、業界にブラックになりやすい業界は要注意です。
もちろん今回ご紹介する業界がすべてブラック企業とは限りません。飲食店でもやりがいのある仕事で高い給料、しっかりと休みがとれる会社もあるでしょう。介護サービスの会社でも雰囲気がよく社員思いの会社もたくさんあります。
「この業界だからすべてがブラック企業だ!」と決めつけずに、ブラック企業かどうかを判定するための第一フィルターくらいに考えておきましょう。
ブラック傾向の業種
- 飲食業界
- 介護業界
- 広告業界
- IT業界(下請け開発)
- 建設業(下請け)
ハジメ
求人情報からブラックを見抜く
ブラック企業は求人情報が無茶苦茶です。
- 「未経験でも責任者になれる!」といつも責任者を募集している
- 「前職フリーターが数社3ヶ月後に年収2,000万円!」とモデルケースがめちゃくちゃ
- 「たくさん働いてたくさん遊ぶアットホームな会社」で茶髪の社員が飲んでいる
- 全員若手の社員が黒いスーツ着てガッツポーズしている写真
- 何を売ってる会社かよくわからないが、調べてみると「投資用不動産」や「コピー機」
このように「夢」や「希望」ばかりにフォーカスして中身が薄い求人情報を出している会社は要注意です。
ハジメ
ベンチャー企業はブラック企業になりやすい!
創業して間もないベンチャー企業もブラック化しやすく要注意です。
社内制度が整っていないケースが多く、仕事も手当たり次第やっていかなければならない状況です。仕事を教える人も少なく、いつもトラブル続きの会社も多くあります。
そのため長時間に及ぶ残業が続いたり休日がとにくく、にもかかわらず資金繰りも厳しく給料が低く設定されて言います。利益がでるまではサービス残業、というベンチャー企業も多くあります。
しかし比較的基本給は高い傾向にあり利益が出た時に従業員への還元率が大きいのもベンチャーならでは。
多少ハードでも給料をやりがいと捉えられるなら、ベンチャー企業を受けてみてもよいかもしれません。
ハジメ
若手社員は正直 「四季報」で3年後離職率を確認
最近の若手社員は「ゆとり社員」などとも言われますが、彼らは他の世代に比べ働きやすさを一番に求める傾向にあります。
なので若手が定着しない企業はブラック企業だと考えて間違いありません。
志望企業の3年後離職率を四季報で確認してみましょう。上場していない会社版も出版されています。「就職四季報」に記載がなくても「会社四季報」には書いてある場合が多々あります。
3年で3割以上離職している企業はブラックの可能性が高いです。そして、「N/A(ノーアンサー)」としている企業も要注意です。離職率が高い場合、このように回答を隠している可能性があります。
志望企業の名前を検索 転職口コミサイトをチェック
志望企業の名前をネットで検索してみましょう。
志望企業の名前を入れただけで予測変換に「ブラック」と出てくる場合があるので、その場合はブラック企業の証拠がネット上に載っていないかよく調べてみましょう。
また、転職口コミサイトを確認してみましょう。離職率が高い会社なら企業したりキャリアアップのために辞める人が多いのか、それともブラックな環境のせいで辞める人が多いのかを判断する材料になります。
企業ホームページもチェック ワンマン社長に注意
志望企業のホームページも確認しましょう。仕様が古かったり、明らかに更新されていない…という場合はブラック企業の可能性大です。今の時代、新規の顧客がホームページを見て問い合わせてくる、という当たり前のことにまで気が回っていない企業には就職をおすすめできません。
また、1代目の社長や家族経営でないかどうかを確認しましょう。1代目の創業社長や家族経営の会社だと社長のワンマンが通りやすく、仕事でも無茶なことを振られがちです。社長だけで判断する必要はありませんが、その他の要素とあわせて検討材料にしましょう。
労働時間を見抜く裏技「夜に電話をしてみる」
残業が長い会社なのかどうかを見抜くため、夜の遅い時間に会社の番号に電話をしてみるのも手です。
ちゃんとした会社なら定時以降の電話はつながらないようになっているか、誰もでないはずです。9時、10時過ぎても電話に出る場合は、入社後も残業を強いられる可能性があります。
ハジメ
面接でブラック企業を見抜くポイント
ネットではブラック企業らしい情報はヒットしなかった場合、面接でもいくつかの点をチェックしてみましょう。
面接官の態度が悪い
ちゃんとした会社なら、面接に来た人がたとえ入社に至らなくても今後顧客として付き合う可能性があると考え、誠意を持った対応をします。
しかし面接官がちゃんと話を聞いてくれなかったり、失礼な質問の仕方をしてくる場合はちゃんと社員の教育ができていないということなので、ブラックである可能性があります。
また面接の日程は事前に決まっており、面接官も仕事を調整しておくべきです。面接中もずっとパソコンをいじってメールを返信している…。そんな社員に余裕がない企業も、異常な仕事量を押し付けられるなどブラック企業に間違いありません。
すぐに最終面接に進んだり当日に内定がでる
一次面接が30分位で終わり「次回役員と面接を」と簡単に最終面接に進むのも要注意です。
もちろん小規模の会社は面接が2回程度で内定がでるところが多いのですが、一次面接あまりに簡易的だと怪しんだほういいでしょう。まったく手応えがなく簡単な確認事項程度で「次回最終面接」や、場合によっては一次面接で役員が出てきて「当日採用」なんて会社はアナタを人材として見ているのではなく使い捨ての頭数要員と見ている可能性があります。
社員使い捨てのブラック企業でいつも人手不足なのでしょう。
面接が簡単過ぎるのも要注意です。
女性の割合を聞いてみる 女性が圧倒的に少ないと要注意
面接官に男女の割合を聞いてみましょう。
金属・化学メーカーなど明らかに理系人材が登用されそうな会社は別ですが、一般的な業種なのに女性の割合が少ない場合は要注意です。
女性は出産・子育てもキャリアプランの一部として考えている方が多いので、ブラック企業で長く働くメリットがありません。
離職率を聞いてみる はっきり答えないとブラックの可能性大
面接官に離職率を聞いてみましょう。採用担当者が離職率を把握していないわけがないので、はっきりと答えてくれなかったら「言いたくない」だけです。
ブラック企業だと認定しましょう。離職率が高くても、起業する人や小会社に移籍した人が多いなどの事情がある場合はちゃんと説明してくれるはずです。
社員や会社の雰囲気に違和感がないかどうか観察する
すれ違う社員がイライラしていたり、無気力だったり、服装が乱れていたりしないかどうかを観察してみましょう。
ブラック企業は色々なところに手が回っていないためほつれが見つかります。ゴミ箱回りが荒れていたり、社員同士の挨拶がなかったりなど、ぎすぎすした雰囲気を感じ取れるでしょう。
ブラック企業は給料が安い。社員のスーツがしわくちゃで擦り切れていあり、靴が汚れてすり減っている社員が多いようだと、その会社に期待できないでしょう。
ハジメ
ブラック企業の見抜き方 まとめ
細かく調べると、ブラック企業は色々なところにその証拠を残しています。
まずは業界の動向から調べ、四季報やインターネットで情報を集めましょう。そして面接で腑に落ちない言動があれば、ブラック企業だと思って間違いありません。
ブラック企業に一度入ってしまうとなかなか抜け出すことができなくなってしまいます。心と体の健康を保ちながら、長く快適に働くためにも事前にブラック企業を見抜いて自分が働きやすい会社を見つけましょう。